「直す」より先に「整理」:Cursor Ask mode活用法

「直す」前に「整理」:Cursor Ask mode活用法

はじめに

Cursor を使って開発していると、Agent mode の便利さに助けられる場面がたくさんあります。

Cursor のAgent mode とは?

AIがユーザーの指示に基づいて自律的にコードベース全体を探索し、複数ファイルを横断してコード生成・修正・実行まで行う高機能なモード。

一気に複数ファイルへ変更が入るため、差分の確認が必要になります。
参考:https://docs.cursor.com/ja/agent/modes#agent

一方、日々の実装や小さな改善を積み重ねていく中で、Agent mode を使った際に、想定していなかった箇所まで修正が入ってしまうことや、差分が多くなりすぎて、Accept / Undo の判断に思った以上の時間がかかることがありました。

特に、

  • 影響範囲が徐々に読みづらくなって困る
  • 既存の挙動をなるべく壊したくない  
  • 「今すぐ直すべきか」を慎重に判断したい

と感じる場面が増えてきたこともあり、最近は Agent mode の前に Ask mode を使うことを意識するようになりました。

本記事では、その使い分けについて、実務での経験をもとに紹介します。

Agent mode を使って感じた実務での課題

リファクタリングや整理作業の際、以前は Agent mode に対して、次のような依頼をすることが多くありました。

「共通化できそうな実装を探してほしい  」

Agent mode は反応が速く、依頼すれば一気にコードを整理してくれます。

ただ、実際には次のような状況に直面することもありました。

  • 想定以上に多くのファイルが変更される 
  • 意図的に分けていた実装まで統合される
  • 差分を1つずつ確認し、Accept / Undo を判断する必要がある

結果として、AI が短時間で行った修正を、人間が時間をかけて確認する、という状態になってしまうこともありました。

※ Agent mode による一括修正で、想定以上に差分が発生している例、複数ファイルが変更されている状態のスクリーンショット

Agent modeだけで完結できない場面とは?
すぐに直さず「まず整理したい」場面

特に次のような場面では、いきなりコードを書き換えない方が安全だと感じています。

  • すでにリリースされているコードを触るとき 
  • 修正の優先度がまだ決まっていないとき
  • 見た目は似ているが、意図や前提が異なる実装があるとき

こうした判断は、背景を知っている人間が主導する必要があります。
そこで活用しているのが Ask mode です。

Ask mode でやっていること

Ask mode では、コードを変更せずに「整理」だけを行います。例えば、次のような依頼です。

  • 類似した実装や構造を列挙してもらう 
  • 責務が集中していそうな箇所を指摘してもらう
  • 将来的に整理できそうな候補を洗い出す     

この段階では、「直すかどうか」はまだ決めていません。
Ask mode は、判断材料を整理して提示してもらうためのものとして使っています。

※ Ask mode によって、修正候補や論点が箇条書きで整理されている例、コードは一切変更されていない状態

Ask mode → 人間の判断 → Agent mode の3ステップ

現在は、次のような流れを意識しています。

  1. Ask mode で候補や改良点を洗い出す  
  2. 自分で「やる/やらない」を判断する
  3. 修正すると決めた箇所だけ Agent mode に任せる

この順番にすることで、

  • 想定外の修正が入りにくくなる  
  • 差分の確認範囲が小さくなる 
  • 既存コードへの影響を把握しやすくなる  

と感じています。

Agent mode の強さを活かしつつ、修正の主導権は人間が握る、という使い方です。
今のところ、この流れが最も効果的だと感じています。

Ask mode は「考える前段」を任せる場所

Ask mode を使うようになって感じたのは、これは単なる軽量なモードではなく、「考えるための材料を整理してもらうモード」だということです。

すべてを自動で直すのではなく、「どこを、いつ、どこまで直すか」を判断する。

その判断を助けてくれるのが Ask mode、という位置づけです。

まとめ

Cursor には強力な Agent mode がありますが、常に最初から任せるのが最適解とは限りません。

  • まず状況を整理したいとき  
  • 影響範囲を把握したいとき
  • 修正を自分で判断したいとき  

そうした場面では、Ask mode を入口にすることで、より安心して開発を進められると感じています。

プロジェクトが少しずつ育っていく中で、この使い分けは今後も意識していきたいポイントです。

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