Cursorで資料作成を加速:提案の説得力を上げる“具体化”のやり方

Cursorで資料作成を加速:提案の説得力を上げる“具体化”のやり方

はじめに

今回、新プロジェクトの提案資料作成において、AIコーディングツール「Cursor」を活用しました。
本記事では、AIを使った資料作成の過程で得られた気づきと、効果的な活用方法について共有します。

背景:スクラム開発の進め方を説明する補足資料が必要

提案資料の中に「スクラム開発の進め方」のスライドがありました。
しかし、顧客から共有された「開発会社向け概要説明」PDFには、「各開発会社様に期待すること」として具体的な要望が記載されていました。

この要望に対して、単にスクラムの一般的な進め方に沿って開発を進めてしまうと期待値とズレが起こる可能性があると感じました。
重要なのはスクラムを形式として導入することではなく、顧客と自社の双方にメリットが出る運用として設計することです。

そのため、「弊社がどのように対応するのか」を明確に示す補足資料が必要と判断し、Cursorを使って作成することにしました。

最初の資料:「特徴のない」汎用的な内容に

最初にCursorに依頼したのは、「PDFをもとに、スクラムをどんな流れで回すかの資料を作成してほしい」というシンプルな指示でした。

生成された資料は、スクラムの一般的な説明(スプリント計画→開発→レビュー→振り返り)をまとめたものでした。
スクラム開発の教科書的な内容としては正しいものの、「この提案で何を伝えたいのか」が見えない資料になっていました。
プロンプトが抽象的だった分、アウトプットも汎用的に寄ってしまった印象です。

【初回に作成された資料】
【初回に作成された資料】

転機:「顧客の要望に対する回答」という視点

ここで方針を見直しました。

単に「スクラム開発の進め方」ではなく、顧客の要望を、顧客とのコミュニケーションを通じて整理・具体化し、スプリントで実行できる形に落とし込む進め方を示すことが重要だと考えたためです。

顧客からの資料には、機能単位の要求や粗い粒度の要件アイテムを起点に、詳細要件の詰めから開発・実装まで進めてほしいこと、さらに開発中に見つけた改善案や新機能案も積極的に起票・提案してほしいことが含まれていました。

この内容を踏まえると、必要なのはスクラムの一般論ではなく、要望をどう受け取り、どう合意形成し、どう実装可能なタスクへ落とし込むかという運用設計です。

そこでAIとの対話も、説明資料の作成依頼から、実務の進め方を整理する方向に切り替えました。具体的には、次のような観点でやり取りを進めました。

  • 「顧客PDFに記載された要望を起点に、顧客との合意形成を重ねながら、詳細要件化してスプリントで実行できる粒度に落とし込む進め方として整理してほしい」
  • 「2週間スプリントの具体的なスケジュールと、顧客とのコミュニケーションラインを追加してほしい」
  • 「バックログリファインメントの位置づけを明確にしたい。スプリントとは別に、タスクを取り掛かれる状態にするMTGは必要か」

この視点に切り替えたことで、資料の方針も変わりました。

スクラムの流れを説明する資料ではなく、担当者様との連携方法、意思決定のタイミング、バックログリファインメントの役割まで含めて伝える補足資料として、提案の意図が伝わりやすい形に整理できるようになりました。

【最終的に作成された資料】

さらに深掘り:リファインメントの詳細と優先度変更時のフロー

AIと議論を続ける中で、「バックログリファインメントで具体的に何をするのか」「優先度の高いタスクが割り込んできた場合はどうするのか」という疑問が出てきました。

これらは提案資料に直接載せるかは別として、社内の認識を揃え、顧客との議論に備えるための整理資料として作成しました。
たとえば“割り込み”は現場で必ず起こるので、事前に判断基準がないと、意思決定が場当たりになりがちです。

AIとの対話を通じて、緊急度による判断基準(A/B/C)や、週次リファインメントで割り込みを「予防」する仕組みなど、実践的なフローを整理することができました。

【バックログリファインメントの補足資料】

学び:AIに「何を強調したいか」を伝えることの重要性

今回の経験から得られた最大の学びは、AIを使うだけでは「それっぽい資料」しか作れないということです。

提案資料である以上、「この提案で何を伝えたいのか」「顧客の何に応えるのか」という意図が必要です。
その意図をAIに明確に伝えることで、初めて「提案できる資料」が作れるようになります。

また、Input資料(今回はPDF)から「何を強調すべきか」を抽出する作業も、AIとの対話を通じて精査することができました。
AIに「顧客の要望に対してどう回答すべきか」と問いかけることで、自分の考えを整理し、言語化する助けになりました。

まとめ

ポイント内容
AIは「それっぽい資料」は作れるただし、汎用的で特徴のない内容になりがち
意図を伝えることが重要「誰に」「何を」伝えたいかを明確にする
対話を繰り返すことで精度が上がる一発で完成を目指さず、やり取りで磨いていく
Input資料の読み解きもAIと一緒に「顧客の要望にどう応えるか」を一緒に考える

Cursorは、資料作成の「相棒」として非常に有効です。
ただし、その相棒に「何をしたいのか」を伝えるのは、私たち自身の役割です。

最初から完璧な指示を出そうとせず、“相手の要望に答える”という軸を握ったまま対話を重ねるのが、うまく使うコツだと感じました。
本記事が資料作りの参考になれば幸いです。

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