レガシー環境からモダン開発への一歩
アイスリーデザインに2025年8月に入社し、現在はスマートフォンアプリやWebアプリケーションなど、フロントエンド開発に携わっています。
前職ではバックエンドの開発をメインに対応していましたが、AIの導入は無く、全て手作業で開発業務を行っていました。
安定した開発フローの一方で、モダンな技術やAI活用へのキャッチアップが難しく、自身の市場価値に不安を感じる場面が増えてきました。
「もっとモダンな環境にチャレンジしたい」「幅広い経験を積み、自身の市場価値を上げたい」という思いから、モダン開発とAI活用に前向きな環境であるアイスリーデザインへ転職。
結果として、学びのスピードとアウトプットの質の両方に明確な変化を実感しています。
活用しているAIツール3選:Cursor・Copilot・Gemini
現在、私が現場で使っているAIを用途別にまとめました。
- Cursor
- 用途:統合開発環境
- 具体的な使用方法や効果:
コード生成・改善提案・リファクタの起点に。エディタ横のチャットで要件や意図を説明しながら、実装の雛形作成や既存コードの改善案を素早く引き出せます。
小さなハマりどころの解消が高速化し、実装スピードが底上げされました。
- Copilot
- 用途:コードレビュー
- 具体的な使用方法や効果:
実装での補完に加えて、レビューを自動化するツールです。
コードの文法や命名のゆれ、例外ケースの抜けなどの見落としも指摘してくれます。
- Gemini
- 用途:情報収集・調査の加速
- 具体的な使用方法や効果:
未知のドメインやサービスに入る前の下調べ、細かい業務上の疑問・懸念点解決、関連ドキュメントの当たりをつける用途に活用しています。
学習から試作までのリードタイムを短縮できています。
AI導入による開発プロセスの変化
前職の開発環境から一転、現職では“AI前提”の進め方が日常になりました。
手戻りが少なくなり、検証までのリードタイムを短縮することができます。
さらに未経験領域でも初動の不安が小さくなっています。
特に感じたことは以下のような変化です。
- 開発速度・品質の向上
- 未経験業務の難易度低下
この章では、これらを具体例とあわせて説明していきます。
1.開発速度・品質の向上
Cursorを用いて開発を行うことで、開発時のちょっとした躓きや疑問点をAIを用いて解決することができるようになりました。
以前までは、開発時の疑問点などは自身でインターネット等から情報を得ていたため、この点において開発速度の向上を感じています。
また、GitHubとCopilotを連携させ、コードレビューを活用することで、細かなコーディングの懸念点やミスを工数をかけずに発見できるようになりました。
その結果、コーディングの質の向上につながっていると実感しています。
ここで、Cursorを使ったことがない人でもイメージがつきやすいように、実際にCursorを用いた開発例を挙げてみようと思います。
まずCursorを開くと、下図のような画面になっています。
- 左ペイン(アクティビティバー):
ディレクトリ構成、ファイル検索、Gitなどの機能にアクセスできます。 - 中央(エディタ):
通常のコード編集に加え、AI提案をそのまま適用・比較する編集ができます。 - 右ペイン(AIチャット):
Cursorの醍醐味であるAIとのチャット機能が組み込まれており、AIを用いて開発を効率的に進めることができます。
雛形生成や改善案、テスト観点まで即時に返ってきます。

Cursorを使った開発例:10分でECサイトを構築
今回は、このAIチャットを用いて、簡単なECサイトを構築してみます。
自分で一から構築するとある程度の手間と時間がかかりますが、Cursorを用いることによってスピーディーにシステムを構築できます。
下図は、実際にCursorによってECサイトを構築している過程です。

右のチャット欄のように、自然言語を用いてAIに指示を出すことで、AIにコーディングをさせることができます。
ただし、生成されるコードのクオリティについては適宜確認する必要があることは覚えておく必要があります。
先ほど構築したECサイトを実際に開いてみると、指示した内容のシステムが構築できていることがわかります。

Cursorを開いてからここまでにかかった時間は10分程度です。
似たようなシステムを構築したことがある方ならば、規模が小さいとはいえ非常に早く開発できたことが伝わるかと思います。
2.未経験業務の難易度低下
未経験の業務(扱ったことのないシステムやサービスを利用する場合など)を実施する際、以前までは下記のような進め方が定番でした。
- 公式サイトやテックブログなどから情報を集める
- 社内で経験のあるメンバーからヒアリングする
- とりあえずやってみる
しかし、弊社に入社してからは、AIを用いることによってこういった業務の難易度やスピードが格段に向上しました。
例えば、GoogleのAIアシスタントであるGeminiを用いることで、情報収集をぐっと楽に、早くすることができます。
これによって、以前までは自身でネット上から関連情報を集めていた部分が短縮され、スピードアップに繋がりました。
また、AIと会話しながら方針確認や問題の原因切り分け、代替案の提示まで相談できるため、行き詰った時の解決も早くなりました。
このような点から、以前よりも未経験の業務に対する難易度が下がり、業務をスムーズに進めることができていると実感しています。

さいごに
私自身の経験から、レガシーな環境でエンジニアをしている方は是非、モダンな開発を経験できる場に身を置いて欲しいと思っています。
これまで時間を割いていた情報収集やコーディング、デバッグといった作業は、AIや最新技術の力を借りることで、驚くほどスムーズに回り始めます。
結果として、手戻りは減り、レビューや設計といった “人間が価値を出す領域” に集中できるようになります。
もし興味を持ったなら、まずは小規模な検証からで十分です。
既存プロジェクトにAI支援の導入を試み、個人で試作品を作ってみる、あるいはモダンな開発を実践するチームに身を置くなど、自身の強みを更に伸ばすことにチャレンジしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。









