LTで知見が循環する – 報告だけのMTGを議論の場に変えた話

LTで知見が循環する - 報告だけのMTGを議論の場に変えた話

はじめに

こんにちは。エンジニアの齊藤です。

皆さんのチームでは、定期的なミーティングを行っていますか?

私が所属するチームでは、毎週一度、メンバーとマネージャーが集まり、1時間のミーティングを実施しています。内容は主に重要な連絡・共有事項と、各自が担当するプロジェクトの進捗報告です。

このミーティングのおかげで、同じプロジェクトに関わっていなくても、チームメンバー同士が「今何をやっているか」「どこに困っているか」といった情報を把握できていました。

一方で、ミーティングの流れとしては基本的に、進捗報告 → 相談があれば全体へ共有という一方向のもので、活発な議論が生まれる場にはなりにくい状況でした。

そこで2026年から、ミーティングのアジェンダにLTを行うセクションを追加しました。メンバーが自由にLTを行える時間を設けたのです。

すると、それまで進捗報告がメインで盛り上がりにくかったミーティングが、少しずつ活気づいてきました。

この記事では、LTセクションを取り入れたことで起きた変化について紹介します。

LTとは?

まず、LTについて簡単に説明します。

LTとは、Lightning Talk(ライトニングトーク)の略で、5〜15分程度の短いプレゼンテーションのことです。

通常の発表に比べて時間が短く、テーマも自由であることが多いため、気軽に取り組みやすいのが特徴です。 エンジニアの勉強会やカンファレンスでよく採用されており、たとえば次のように幅広いテーマで話されることがあります。

  • 最近学んだこと
  • 業務で詰まったこと
  • 試してみた技術
  • プロジェクトで得た気づき

このように、LTは大がかりな発表というよりも、自分の学びや経験を短く共有する場として活用されています。

LTへのハードル

LTの説明を見て、皆さんはどう感じたでしょうか?

「準備が大変そう」
「自発的にやるのはちょっとハードルが高い」
「興味はあるけど、そもそも発表する場がない」

正直、そう感じた方も多いのではないでしょうか。

私自身もそうでした。勉強会やカンファレンスで行われるLTの存在は知っていましたが、「自分から手を挙げてやるもの」というイメージが強く、気軽に取り組めるものとは思っていませんでした。

実際、社内で自発的にLTを企画・運営するとなると、場所の調整や参加者の募集など、発表の準備以外にも手間がかかります。結果として「いつかやりたい」と思いながらも、なかなか一歩が踏み出せない。そんな状況になりがちでした。

LTセクション導入の経緯

チームで話し合い、2026年から毎週のミーティングのアジェンダにLTセクションを組み込むことにしました。

目的はシンプルです。

進捗報告だけになりがちなミーティングに、双方向のコミュニケーションが生まれる場を作りたい

メンバーそれぞれが学んでいることや気づいたことを共有し合える時間があれば、自然と会話が生まれるのではないか。そんな期待から始まった試みでした。

ルールもシンプルです。

  • テーマは自由(業務のこと、勉強していること、なんでもOK)
  • 時間は特に制限はなし(短くてもOK)
  • 発表者は任意(やりたい人がやる)
  • 発表資料も自由(プロジェクトで使っていた設計書を用いてそのまま発表、等)

結果として、「仕組みとして場がある」ことで、 「LTをやりたいのでミーティング内の時間をください!」と自らお願いする必要もなくなり、LTへの心理的ハードルも自然と下がっていきました。これは、当初は意図していなかった嬉しい副産物だと思っています。

導入してみて起きた変化

LTセクションを設けてから、ミーティングの雰囲気が少しずつ変わってきました。

1. 勉強していること、プロジェクトの学びのアウトプットの場になった

業務外で学んでいること、プロジェクトでの反省や学びを、発表という形でアウトプットできるようになりました。

「学んだことをまとめて人に話す」というプロセスは、自分の理解を整理する上でも非常に効果的で、発表者自身の学びにもつながっていると感じています。

私自身もこれまでに3回発表しました 。準備を通じて理解が深まるだけでなく、自分が学んだことや理解したことを人に分かりやすく伝える力も少しずつ身についてきたと感じています。

2. 発表内容をきっかけに、実務の知見が集まってくる

発表後には、メンバーから関連する実務の話が共有されることも増えました。

「それ、実務ではこういうケースがあったよ」
「自分のプロジェクトでも似たような話があって……」

このように、発表内容をきっかけに、周りのメンバーが経験や知見を共有してくれるようになったのです。1人の学びが、チーム全体の知識に広がっていくイメージです。

実際に私が「APIのエンドポイント設計」についてLTを行ったときのことです。その発表では、「エンドポイントには複数形を用いる」「名詞を用いる」といった設計の基本を紹介しました。

発表後に「実務では実際どうなんですか?」と聞いてみたところ、バックエンドの知見のあるメンバーから、「プロジェクトの都合上、理想通りにいかないケースもある」という話をしていただきました。書籍や記事では得られない、実務ならではのリアルな知見を知ることができた瞬間でした。

3. ミーティングが双方向の会話の場になった

一番大きな変化は、ミーティングが「報告する場」から「話し合う場」に変わってきたことです。

以前は、各自が進捗報告を順番にこなすだけだったミーティングが、LTをきっかけに自然と議論や雑談が生まれるようになりました。発表に対しての質問や感想が飛び交い、そこからまた新たな話題に発展していく。そんな場面が少しずつ増えてきました。

その結果、以前よりもメンバー間で知見が共有されやすい雰囲気が生まれてきたと感じています。

まとめ

今回のLTセクション導入を通じて、チームに以下のような変化がありました。

  • 「仕組みとして場がある」ことで心理的ハードルが下がり、気軽にアウトプットできるようになった
  • メンバーそれぞれの実務の知見がチーム全体に広がるようになった
  • 進捗報告だけだったミーティングが、自然と議論や雑談が生まれる双方向の場に変わった

アジェンダにLTの枠を1つ追加するだけで、これだけの変化が生まれました。小さな仕組みの変化が、チームの空気を少しずつ変えていくことを実感しています。

↑実際にミーティングで使っている会議室です。大きなモニターに発表資料等を映せるので、整った環境でミーティングができています。

おわりに

進捗報告がメインで、どこか一方通行になりがちなミーティング。同じような課題を感じているチームは、意外と多いのではないでしょうか。

私たちのチームでは、ミーティングにLTセクションを設けるというシンプルな仕組みの変化が、少しずつミーティングの雰囲気を変えてくれました。大がかりな施策は必要なく、アジェンダに枠を1つ追加するだけです。

そして個人的には、この取り組みを通じてアウトプットへの意識も変わってきました。

業務の中での気づきはもちろん、個人で勉強したことも「せっかくなら、メンバーにも共有できるようにまとめてみよう」と思えるようになったのです。インプットをそのまま自分の中で終わらせるのではなく、LTという場を意識することで、学びの質も少し変わってきた気がしています。

もし同じように、ミーティングが一方通行になりがちと感じているチームがあれば、1つの選択肢として参考にしていただけると嬉しいです。小さな仕組みの変化が、チームのコミュニケーションを変えるだけでなく、個人の学びへの向き合い方も変えてくれるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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